マレーシアは多民族国家

 日本のような単一民族の中で生活していると、多民族国家が不思議に感じる。大体大阪と東京でも「あほ」と「ばか」とで感じ方が違う。関西で「あほちゃうか」と言われても軽く流せる感じだが、これが関東の人だと侮辱されたように感じるそうだ。逆に関東の人から「馬鹿じゃない」と言われると関西人はカチンとくる。日本のような単一民族国家でもそうなのだから、マレーシアのような多民族国家に住む人は付き合い方が大変難しいようである。マレーシアはマレー系60%、中華系30%、インド系10%である。

 皆大体2言語以上しゃべれるが、マレー系はマレー語と英語、中華系とインド系はこれに母国語の広東語/北京語もしくはヒンズー語/タミール語をしゃべる。社外では共通語のマレー語で会話し会社では英語で会議をするが、同民族間では母国語でひそひそしゃべる。会社には社員食堂があるが、メインのおかずは常にチキンか魚だ。マレー人が豚を食べられず、インド人が牛肉を食べられないからである。食堂で飯を食うのも同じ民族で集まって同じ国の言葉をしゃべりながら食う。全般的な職業も民族によってある程度決まっている。政治家や組織のトップは60%を占めるマレー系が多い。経理の仕事や物流や商売は圧倒的に中華系が多い。彼らは華僑のネットワークもあり、人つながりで人脈を持っている。インド系はマイナー民族で主力になることは難しい。論理的に強いので弁護士やコンサルをやる人もいるが、タクシー運転手などが多い。また不文律だと思うが、会社や役所の組織ではこのマレー系、中華系、インド系の比率を絶妙にバランスさせている。

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