今出川通りを3往復すると京都が見えてくる
京都と言えば、寺院が立ち並ぶ地域や、味わいのある街並みなどを挙げる人が多いだろう。しかし生粋の京都人?(母親は新潟生まれ京都育ち、父親は岐阜生まれ東京育ちだが)である私からすると、いかにも京都っぽい場所は観光の匂いがして好きになれなかった。そういう中で、題目の通り今出川通りを何往復もしながら、違う意味での京都の醍醐味を感じるようになった。(と言っても極めて主観的な見方だが・・・)学校が今出川通り沿いにあり、学校の帰りにバスを使わず家のある白梅町付近まで歩いて帰ることがよくあった。今出川通りは東西にのびる通りで、東は白川通りから西は西大路通りまでのびている。
観光的に見れば、この通りには月並みな景色しか見られない。東は銀閣寺から始まり、途中河原町の手前に賀茂川があり、烏丸のあたりに御所があり、それから千本通りを越えると北野天満宮があるぐらいか?また京都は学生街だが、東は東大路の百万遍に京大が、河原町を少し下がる(南へ行くこと、京都弁)と府立医科大が、御所横には赤レンガで作られた同志社の校舎が、そして今出川まで来ると北西に街並みを上ると立命館本校があり、ある意味で京都の代表的な学生街通りだった。この通りで数多くのいわゆる老舗が営業を続けている。北野天満宮付近の和菓子屋さん、大正時代から営業しているんじゃないかと思うような昔風な喫茶店、学生街と共生して低価格を貫いているような飲食店など、地味ではあるが生活感のある店を見るのが楽しかった。さらにかつてはジャズ、ロック、ブルースなど私好みの音楽を聞かせる店もありあきることがなかった。特に底冷えする冬に今出川を歩くのが好きだった。
