モチベーション
マレーシアで仕事をしていた時、現地の管理者層からやたら言われた言葉にモチベーションというのがある。このモチベーションというのは英語の直訳をすれば“動機付け”となる。要は仕事をやる気にさせる理由のようなものかと思う。社内では種々のモチベーションを高める催しが行われていた。例えば生産がうまくいくと管理者は生産目標達成パーティーのような催しを開催しても良いことになっている。この恩恵は正社員だけでなく、下請けの社員や外国人労働者も受ける。パーティーに出られなくても20~30リンギ(日本円で600~900円)のケンタッキー・フライド・チキンのクーポン券などがもらえる。また社内では種々のスポーツイベントが開催され、社員が参加する。マレーシアで特に人気なのはバドミントンで、若い人から結構な年齢の人まで上手である。またサッカー大会もあり、各部署から数チームを選出して相手部署と競っている(サッカーはマレーシアの国技だそうだ。国際的にはあまり強くないが・・)各部署の管理者はこういう大会の勝ち負けにも熱心に関与する。試合前の練習には皆で応援に駆けつけ、選手たちを激励する。こうした公的だけでなく、私的な部分でも部下に深く関与することで、管理者として部下のことを見守っているというポーズを見せている。勿論仕事のモチベーションの大きい部分は昇進昇格による給料のアップではあるが、そういう公式な処遇改善とは別に、管理者は日頃からあの手この手で社員のやる気向上に努力しないといけない。元々こうした文化は入社した頃の日本の会社で見られた風景とも似ており、私自身はそれほど違和感なく受け入れられた。
