発音が悪いのに英語がわかるマレーシア人
マレーシアへ行ってから英語がうまくなったという人がいる。こういうことを言う人はほとんど英語がしゃべれない人たちだ。マレーシア人にとっても日本人にとっても英語は外国語ではあり、おのずとその発音はネイティブには劣る。ところが困ったことに日本人がしゃべる“なんちゃって英語”がマレーシア人には通じてしまう。〇〇Ka?(〇〇か?)と言えば日本語と同様疑問文になってしまうし、XXNa(XXな)と言えばXXの説明としてマレーシア人が理解してしまう。日本人の無茶苦茶発音の悪い英語で、〇〇か?とかXXな、としゃべるのが通じると日本人は自分の英語が通じていると間違った解釈をしてしまうことになる。マレーシア工場に応援に来た多くの日本のスーパーバイザーが犯してしまった大いなる誤解だった。このため英語はこのようにしゃべっても相手は理解するものと勝手な理解をしていると、正式な英語を使う欧米人の前では全く通用しない。一方私は曲りなりに中学、高校と外人教師に英語の授業を受けており、それなりに発音は欧米発音に近いと思っているが、マレーシアに来てからこの“なんちゃって英語”に翻弄された。その為に英語の文法も発音も無視してしゃべる事に抵抗がなくなってしまっていた。そういう意味で私自身はマレーシアに来て英語が下手になってしまったという印象がある。たまに工場に欧米人が来ると、“よそゆきの英語”でしゃべらないといけないと感じてしまう。ただマレーシア人を侮るなかれ。彼らはイギリス統治時代から現在まで英語で教育を受け、英語の映画を字幕なしで見て70%理解できる英語力を持っている。
