バンドマン経験を持つバンマス

 初めての社会人バンドで色々なことを学んだが、最も貴重な体験はジャズという音楽を学んだことだった。ジャズというのはアドリブが基本だが、アドリブについては全く知らなかった。実際ロックバンドでもリードギタリストがソロをとっていて、毎回違うソロをとるのが大変不思議だった。頭の感性の中からアドリブが生まれるのかと思った。ジャズについては当時のバンマス(バンドマスター、バンドリーダーのこと)から学んだ。Hさんというバンマスはおしゃべりが洒脱で、若い頃セミプロとしてバンドに入っていた頃の話を聞かせてくれた。まだ今のようなカラオケがなく、「生オケ(生オーケストラ)で歌える」というキャッチフレーズで多くの店がバンドを雇っていた時代の話だ。その中で特に面白かったのはストリップショーの話だった。踊り子さんが1枚ずつドレスを脱ぐ際にお尻をきゅっと振るが、後方のバンドマンはそれにぴったり合わさないといけないので、必死で踊り子さんのお尻を見ていたとのことだった。ストリップを楽しむ余裕など無かったそうだ。その頃のほとんどのバンドマンはカラオケの台頭で消えてしまったらしい。即興演奏についても考え方の基本を教えてもらった。簡単に言うと歌には和音が割り当ててあり、和音は3~4つの音が組み合ったものであるが、ジャズの演奏をするには和音に合う音をつなげていけば良いというイメージだった。さらによりスムーズに即興演奏を行うには、和音から決まる?スケールというものでアドリブを行うのがスムーズな演奏になるとの事だった。しかしその後何年にもなるが、未だに真の即興演奏は理解も実施もできていない。

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