会社でバンドを始める
京都で25才までバンドをやっていたが、なかやぶに移ってから楽器はほとんど触っていなかった。また会社内でもそういう話ができそうな人もいなかったので、6~7年間仕事に没頭していた。ところがたまたま会社の夏の納涼祭で現場の若いメンバーがステージに立っていた。演奏している曲は私の知らないヘビーメタルの曲だった。今なら自分が門外漢である音楽にも一定の理解を感じることができるが、当時はまだ30代前半でついむきになって俺もやってやろうかという気分になってしまった。また当時の私はたまたま若者のリーダーを自認しており、工場の若者とのネットワークもあった。そこで一人また一人と仲間を増やしていき、ついには8名程度のバンドメンバーでバンドを結成する所までいってしまった。その中にはバンド経験者は4名、半分はど素人の集まりだった。勿論私自身がリーダーに立候補した(腕の良し悪しは別として)またバンド名もリーダー権限で勝手につけさせてもらった。名前はビート〇〇と△△△オールスターズとした(〇〇はドラムをやっている人の名前、△△△は工場の名称)どうもビッグバンドの「原信夫とシャープ&フラッツ」の雰囲気と「サザンオールスターズ」を2で割ったイメージでつけたような気がする。そして練習が始まった。練習場は工場から20分ほど行った会社の保養所を借りた。ここは人家と離れており大音響に文句を言われないというメリットがあった。曲はビートルズ、サザンオールスターズ、郷ひろみ、など一貫性のない曲構成だったが、ともかく半分が素人であるバンドとしては、まず馴染みやすい曲からやろうという考えだった。
