水害でもう一度バンドを2

 工場の水害を機に皆を勇気づけるバンドを結成したいという私の願いは水害後300日経って達成された。前から長い名前のバンド名をつけたいと思っていたので、△△△工場は復活した、300日経っての革命というコンセプトで、“Easter △△△ Revolution 300days after Band”というバンド名にしたが、普段言うには長すぎるのでR3DAと略した。演奏の技術アップもそこそこ努力したが、所詮アマチュアバンドなので演奏は間違わなければ良い、うまい演奏は望まない、ということにした。その代わりに最も気合を入れたのは、ライブパフォーマンスだった。全員が音に合わせて左右に動くと、じっとして演奏するよりはるかにうまく見える。MCがうまいと客はそのバンドに引き込まれる。生涯音楽を共にすることになったメンバーから言われた「バンドはかっこから。演奏はその次」という考えは私にとって目からうろこだった。まずMCのベースとなる文やパフォーマンスのコンセプトはすべて私が決めた。どのように笑いを取るか、どこで皆がこけたり踊ったりするのかはライブパフォーマンスのキーポイントだった。最初は演奏の練習から入るが、そこそこ曲を覚えて演奏が一通りできるようになると、そこからが本番みたいなものだった。MCはステージでの恥じらいを忘れるように、ステージでしゃべる通りに練習した。これによりフロントも恥じらいが減り、堂々としたMCができるようになった。また全員で左右に動いたり、止まってキープしたり、こけそうになる練習は何度も合うまで行った。それはまるで吉本新喜劇のパフォーマンスや運動会での練習と似たような感じで一体感が楽しかった。

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