初めてのオランダでの運転

 欧州行きが決まった。東南アジアは日本人に対しても寛容な部分があったが、今度は紳士淑女の地欧州だと思うと少し緊張する思いがあった。他の駐在員メンバーはすでに着いており、一人寂しくオランダスキポール空港に降りた。そこからは鉄道で北部の目的地まで行くことになる。そこで工場長が迎えに来ると聞いていた。鉄道に2Hrほど乗り、目的地に降りると、工場長が待っていた。今から工場へ行くと言う。夕方なのに何故今から工場へ行くのかと不思議に思った。工場に着くと1台の新品のベンツが止まっており、工場長は「ナビにホテルと工場を入れておいたので、ナビにしたがって行ってくれ。またホテルの駐車場は地下にある公共の駐車場に駐車すればよい。明日は9時に工場へ来てくれ」と言われ、車のキーを渡された。まず車を開けると、ハンドルが左側についている。かつそのベンツは最新型で、ギア、ワイパー、指示器などが全くわからない。しばらくエンジンもかけられずにいると、工場長が戻ってきて教えてくれた。その後はまるで免許取り立てのドライバーのように緊張してホテルまで帰った。生まれて初めての右側通行だった。頭ではわかっていても車線変更等に苦労しながらホテルまで帰ったが、次は駐車場がわからない。ホテルで聞くと、隣に地下へ降りる道があり、公共の有料駐車場であることを理解した。オランダは地下駐車場が多いことを知っていれば簡単にわかったかもしれない。欧州も米国も大体右側通行で、レンタカーシステムや駐車場の使い方は理解している。一方こういう文化に慣れていない日本人が行くとまずはこんな基本的なことから悩まなければならなかった。

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