水害でもう一度バンドを3
水害を機に結成したバンドR3DAは翌年の会社の納涼祭でデビューした。とにかく皆が芸能人を見るような感覚で楽しめるバンドにするということから、全員衣装を合わせ、フロント女性はピンクレディーやキャンディーズといった大流行した歌手の曲を歌って踊った。狙い通り会場は盛り上がり、最初の作戦は成功裏に終わった。このステージの最後に私のオリジナル曲をやり、その際に「水害で皆苦しんだけれど、私たち工場の皆はようやく笑える日が来た」というメッセージを添え、水害からの復活という宣言をした。それからこのバンドはしばらく色々なイベントに出演した。その頃O市のスタジオΣより県在住の企業による合同演奏会参加の話があり、各社のバンドとの交流を持つこともできた。Uさんでお馴染みのBテレビで活躍する司会者も歌手兼司会として出演した。イベント名も「企業戦士ライブ」と銘打って、日本を代表するような有名企業約10社による演奏会が行われた。場所も1回目がM市民会館大ホール、2回目がYB会館大ホールと大きな場所を借りた大掛かりなイベントだった。また工場間でもお呼びがかかり、別の工場の文化祭や社員寮の寮祭などにも出演をするなど忙しくも楽しい時期だった。しかし会社のイベントには終わりがある。フロントをにぎわせてくれた女性達はいわゆる結婚適齢期(今はこういう言葉はないか?)であり、順番に一人二人とバンドを抜けていった。最終的には男性ボーカルと女性コーラスという形でバンドを組んだが、全女性の結婚退職で会社でのバンド活動は終了した。個人的にはある使命を持ってやれた良い活動だったと自負している。
