替え歌の面白さ

 色々なバンドでオリジナリティーを持った試みをしたが、中でも楽しかったのは有名な曲の歌詞を替えて替え歌にすることだった。例えば昭和33年に公開となった石原裕次郎の映画に「嵐を呼ぶ男」というのがある。映画の見せ場は主人公石原裕次郎扮するドラマーがやくざに片手を怪我させられ、それでも片手でドラムを叩きながら歌う名シーンがある。おいらはドラマー、やくざなドラマー♪♪という歌詞がかっこいい。この曲を一度演奏したかったが、女性ボーカルのバンドではちょっとなあと思っていた。そして色々考えた挙句、「嵐を呼ぶ女」という替え歌にした。そして歌詞をあたいはグラマー、とってもグラマー♪♪とした。これを会社の納涼祭でフロントの女性陣に歌わせた。今ならセクハラで引っ掛かりそうな歌詞だが、自分たちの役割を正確に理解している彼女たちは何の恥じらいも見せず堂々と演じてくれた。勿論そのステージは最高の盛り上がりになった。また英語の曲を日本語の替え歌にして自分たちの思いを出すという試みもやってみた。アメリカのフィフティーズでチャック・ベリーが歌ってギターを弾くJonny Be Goodという名曲がある(Back to the futureで主人公が演奏しているのでも有名)Jonnyという南部育ちの学のない貧しい黒人の子がギターを鈴のようにかき鳴らすという歌詞だったが、これをバンド名Show☆YouをもじってShow☆You Be Goodという曲にした。Show☆Youというバンドがはじけて心の思うままにハチャメチャに演奏するとそれを聞く皆が夢中になるというイメージを歌詞にしてみた。原曲とはまた違う面白さを出せたと当時は自己満足した。

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