人の指導なんてできない、システムを変える

 トップの勉強会で共感した話があった。それは指導の効果についてであった。基本的な仕事の仕方や会社のルールの順守は教育指導でカバーはできるが、その人が心底仕事について会社が目指す方向を理解してくれるかは教育指導では難しい部分がある。そのためほとんどの場合はその人の資質に賭けるしかないというように私は考えていた。ところがこのトップは違った。人間は環境の動物で、環境が変わればその環境に順応するように動くものだというものだった。要は会社が人間を変えることは難しいが、ビジネスの環境を変えることで、その中で働く人はいかようにも変化するという主旨だった。例えばビジネスには必ず重要なキーワードがあるが、同じ仕事をしていてもある会社のキーワードは〇〇、一方違う会社のキーワードはXXXというように違う場合がある。ほとんどのサラリーマンはこのキーワードに沿って仕事をしているので、異なるキーワードが挙げられるとその人の働く環境は変わってしまう。こういう理解に至ったのは後々であり、その勉強会の時には人間は教育ではなかなか変わらないという点だけ共感していた。勉強会が終わった後、トップと1対1になる時間があり何か感じたかと聞かれたので、「人は教育では変わらないという部分は共感しました」と答えた。そうするとトップはにやっとして「君もそう思うか?」と言われた。その後ビジネスのパラダイムを変えるような取り組みがなされた。今まで正しいと信じていたのが間違っていると考えるのはつらかった。しかし一旦心を入れ替えて違う方向に進んでも、それはそれで前へ進めるのがわかった。やり方に絶対はないと思った。

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