ホワイトカラーとブルーカラー2

 こうして食堂での差別意識を機に、私はこのブルーカラーとホワイトカラーの確執は種々の経営問題と繋がっているように思うようになった。駐在員たちには「深い闇」と言っていた。まずこれまでこうした問題を是認していたかどうかを欧州統括のフランス人のEさんと議論した。Eさんの答えは「これは昔からある問題でなかなか解決は難しい」と問題への関与を避けたがる意見だった。しかし日本人がこの問題に真っ向から挑もうとする姿には一定の理解を示してくれた。当時の労使関係は最悪で、長年同じ工場長が工場管理をしており、経営悪化から現場オペレーターのシフトを変更したが、強い組合の反対に押し切られて元に戻したばかりだった。私の意見は何はともあれホワイトカラーの人間も現場に顔を出し、現場で何が起こっているかを毎日自分の目で見るようにすべきだと思った。そのためにはまず駐在員が率先垂範して動いてみるように努めた。こういう事が原因なのか明確にはわからないが、現場で一つ大きな生産性低下の問題があった。現場のシフトは何時から何時までと会社ルールで決まっているが、勤務の終わり頃になると仕事をせず、半数ぐらいのメンバーが帰り支度をして勤務が終了するのを待っているのを見た。「何故仕事をしないのか?」と聞くと昔からこうだと言う。勿論この問題を工場管理者は周知しているようだが、私が理路整然とこの問題解決の重要性を説明しても何故か反応はにぶかった。そして工場の会議で取り上げて指摘しても、何故か管理者は強く踏み込めないでいた。労使関係の悪さで管理者が労働者に物を言えない事にいらだった。

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