おっさんのバンド練習
皆が仕事を持っている中でバンドの練習時間を合わせるのは至難の業だった。特にSさんは半官半民の行政機関に勤めるかたわらテニスのコーチを行うというタフな仕事をしていた。その他のメンバーは一応カレンダー通りの勤務が多く、Sさんの予定に合わせてバンド練習日を決めた。そしていざ練習が始まるが、一回通すとほぼやり終えた気分になり、今回はこんなもので止めようかという話になる。その後はいわゆる一杯飲み会が延々と続く。元々練習に来る者もそれほど真剣に練習をしようという考えはなく、後の一杯飲みで日頃のうっぷんを晴らそうかという魂胆で来ているので、バンド練習日というよりむしろ一杯飲み会と言った方が良いかもしれない。時間配分で言うと約4時間の会合?中、30分練習~10分議論~残り3時間強一杯飲みというスケジュールとなる。実際練習に来る者は、楽器以外に自分が飲む程度のアルコールとつまみを持参して集まった。一杯飲みの話題はよくある田舎のおっさんの話題に近い。種々の趣味に長けたTさんははまっている趣味の面白さや難しさ/進捗などを面白おかしく話をしてくれた。また食道楽であるUさん、Tさんはつまみ・珍味などの話題をリードした。私はあまり威張れる話題を持っていないので、もっぱら聞く側に回った。Sさんは練習場所と良いオーディオ環境を提供していただいていたが、これもバンドメンバーのコミュニケーション醸成に味を与えていた。あとCさんと付き添いの旦那さんは、旦那さんの独特の風貌をいじられながら楽しんでおられた。いずれにしてもこういうものがないとおっさんのバンドは続かないと思う。
