百万枚売れた曲をやる

 町内会のバンドで最初に曲を決めるにあたり大いに悩んだ。各々が異なる音楽ジャンルを歩んできたし、得意不得意や好き嫌いもあるしとなかなか決めるのが難しい感じだった。しかしリーダーである私は全く心配しておらず、むしろ確固たる信念を持って曲決めをする自信があった。曲というものは仕事で言えば商品で、顧客が喜ぶものでなければいけない。町内会バンドが演奏する場面は、お祭りや学校/コミュニティーの催しであるので、顧客は特に小中高校生やその親ということになる。こういう顧客が喜ぶものは、多くの人に幅広く知られている曲を演奏することだという結論を持っていた。したがってメンバーには「百万枚売れた曲を演奏すること」を強く推薦した。この理路整然とした?考えは無事全員の賛同を得た。したがって曲の趣向など全くなく、ともかく百万枚売れた曲なら何でも演奏することにした。ちなみに町内会のバンドの1stコンサートは小学校のグランドで行われたが、演奏した曲は①長い夜(松山千春)②浪花節だよ人生は(演歌)③Season in the sun(チューブ)④だんご3兄弟(歌のお兄さんとお姉さん)⑤悲しい色やね(上田正樹)⑥Dive to Blue(ラルク・アン・シエル)と全く一貫性のないものとなってしまった。勿論バンドメンバーは皆ほとんど初めて演奏するような曲ばかりだったが、彼らには「皆がよく知っている曲を学校で子供たちと親御さんの前で演奏して喜んでもらう」というコンセプトが浸透していた。唯一バンドとしての意地で、メンバー紹介と最初のテーマ曲はオリジナルとした。一つ忘れていたが本当は著作権使用料を払わなければいけない?

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