最低2か国語は当たり前の欧州人

 私のように技術中心で選ばれた駐在員にとって語学力が低いのは大きな問題だった。最近は優良企業の日本人駐在員ではTOEICが700以上は当たり前にあると聞くが、私の場合は若い頃から外人との折衝の場数が多いというだけで選ばれた面があった。マレーシアの場合はそれでもかつてのLook East政策で日本人=尊敬されるべき人種という位置づけがマレーシア人の中で出来上がっていたので多少英語が下手でも何とかなっていたが、これが欧州やその後行く米国では英語のネイティブもしくは第2外国語として流暢に話す人種ばかりであり、英語がしゃべれないなど論外という認識だった。そういう意味では英国人や米国人のように英語を母国語としている人種は他の国の言葉をしゃべらない(しゃべる必要がない)ということになるかもしれないが、何と言っても英語はグローバル言語として圧倒的優位性がある。欧州組織のボスはフランス人で営業のトップを行いながら、定期的に英国とオランダの2工場を管轄していた。彼はフランス語と英語しかしゃべれないと謙遜していたが、少なくとも英語をまともに理解できない日本人には違和感を持っていたと思う。オランダ人は母国語のオランダ語に加え、似た言語であるドイツ語はほとんどの人がしゃべるか理解できる。そして第2外国語として英語やフランス語を選択する。少なくとも80%の人が英語をしゃべるそうだ。私は1年程度オランダに住んだが、オランダで英語を使うことで不便を感じたことはほとんどなかった。このように欧州人は数ヵ国語をしゃべり、当然ほとんどの人が英語をしゃべる。島国の日本人にとって驚くべき事だった。

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