マレーシアの思い出にもう1回
突如マレーシアから離れることが決まった。その前年度に社長よりマレーシアに骨を埋めて欲しいというようなニュアンスを告げられており、そのつもりで仕事の準備をしていた矢先のことだった。サラリーマンである以上業務命令は絶対のものであるが、マレーシアは業績が改善され皆とは良い関係にあったので少しつらかった。欧州への赴任が8月頃であることが内々に告げられたが、6月にマレーシア工場ではアニュアルディナーを行うことが決まりその準備が始まっていた。4年前に会社のアニュアルディナーで演奏をしてから会社のいくつかのバンド仲間たちと付き合いがあり、時々一緒に遊びで演奏したりしていた。そのメンバーから6月のアニュアルディナーで一緒にやりませんか?というお誘いを受けていた。会社を離れる事が決まっていたので悩んだが、マレーシアの最後の思い出としてもう一度ステージに立とうと決めた。そしてマレーシアの総仕上げにふさわしいステージを作りたいと考え、ステージ案をバンドリーダーのK氏に相談した。その内容とはWe are the worldという一世を風靡した名曲をオールマレーシアメンバーでやろうというものだった。この曲は貧困で食べるものもないアフリカの人を皆で救おうというキャンペーンソングだが、こういう一致団結の曲をマレーシアローカルメンバー全員で歌うことで、社員全体の協調を強めたいという狙いだった。メンバーについては管理職各メンバーも全員参加して一緒に歌うことを業務命令として出した。ステージはおろかカラオケでも歌ったことのない管理職たちは緊張しながらも協力してくれた。盛り上がった。
