一人で入れない欧州のレストラン

 欧州では一人になった時気軽に入れるレストランがない。欧州の人は必ずと言っていいほど複数の人でレストランに入る。これは外食に行くことが、一種のコミュニケーションの場と理解されているのではないかと思う。実際この話を現地の人とすると、その通りだという答えが返ってきた。つまり誰か話をしたい人がいないのにレストランに行くのは不自然であり、レストランの中でもその人は浮いた存在になるとの事だった。したがって特別なセレモニーもないのにレストランへ行く場合は、ほぼ駐在員を誘って複数名で行くことになった。ただそういう中で唯一一人でも入って食事ができそうな感じがするのが、アジア系レストランだった。元々欧州人から見ると、アジア系の料理は低いランクに位置付けられているように思う。中華料理、タイ料理、インド料理などは典型的なものだ。そしてオランダはインドネシアから多くの移民を受け入れているがインドネシア料理もこの部類に入る。こうしたレストランは、皿から好きなものを取って食べるようなスタイルが多いし、またいわゆるTake outのシステムができている。そういえばこうしたレストランで食事を食べている人はいるにはいるが、どちらかというと電話でTake outして取りに来て、家へ帰って一人で食べるというのが一般的なのだろうと思った。後に私は欧州から米国へ移るが、米国は欧州ほど「おひとり様お断り」のムードはない。米国の場合、大体はいわゆるバーのカウンター席のようなものがあり、おひとり様はカウンターに座って店主やバーテンダーとしゃべりながら飯を食うというスタイルが一般的に確立されている。

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