米国工場へのドライブの道中は
ここから米国駐在中の音楽体験を書いてみたい。米国と言うと私が子供の頃は西部劇に代表されるCow boyのイメージがあった。しかし行った先はCow boyならぬCar boyの国であった。会社が与えてくれたコンドミニアムは空港を持つ都市にあり、工場はそこからそれぞれ50~70マイル(80~100Km)離れた所に点在していた。日本にいればそんな所に行くのに自動車で通勤することはまずないが、そこはアメリカ、車以外に通勤手段がない。そのどれかの工場へ毎朝車で出勤していた。私は日本にいた時から朝6:30頃には出社できるように出勤していたので、米国でも毎朝5:00頃を目安にコンドミニアムから出発した。その時間帯はサマータイムでも暗く、まるで夜勤に行くような気分であった。そしてこの通勤時間に私が楽しみにしていたのがBGMだった。せっかく1時間近く運転するなら道中の音楽を楽しまねば損だと思い、色々BGMについてはレパートリーを増やした。勿論カーラジオでも色々な曲が聞けるが、音質が良くないのとDJのわからない英語が聞きたくないのでグーグルで探した音楽番組から毎朝選んで聞いていた。その中でも朝にふさわしいのは私の中では何故かジャズのスローバラードだった。心にしみるようなピアノやサックスの音色がこれから始まる米国人との戦い?を前にして気持ちを癒してくれるような気がした。しかし帰る頃には気持ちはハイになっており、スローバラードよりも速いテンポの曲が合っていた。オールマンブラザーズバンドやCCRといった南部ロックやカントリー&ウエスタンといったそれこそCow boyが聴きそうなジャンルを選んで聴いた。
