再度シカゴでブルースバーに入る

 学生時代に初めて米国の音楽を生演奏で聞いた。中でもシカゴで聴いたブルースは素晴らしい思い出を私に残した。私は米国駐在中には南部の中規模の都市に住んでいたが、日本から帰る際は主としてニューヨークもしくはシカゴ経由で帰っていた。一度シカゴで若い頃に聴いたブルースをもう一度聴きたいと思ってチャンスを狙っていたが、たまたま日本への出張の帰りに数日時間が空いたので、シカゴで2泊する予定を組んだ。空港からダウンタウンまでは地下鉄で行けるようになっていて、さらに私が行きたい地区もこの地下鉄が走っていた。さすが大都市は違うなと感じた。ダウンタウンの真ん中で降りると、30才前後のきれいな黒人女性が駅構内で賛美歌を歌っていた。どうやら投げ銭目当てのパフォーマンスのようだったがその声は抜群だった。こんな奴がこの街にはごろごろいるのだと思うと嬉しくなってきた。早速その夜にブルースバーを探して歩き回った。(後で工場の人たちに話をしたらよくそんな危ない時間帯に一人で歩いていたなと言われたが)歩き始めてすぐに違和感を感じたが、20代でシカゴのブルースバーへ行った時はバーが集まっていて簡単に20~30軒の店を見つけることができたのに、今回はなかなかそういう「ブルースバー街」のような場所が見つからなかった。どうやらアメリカンブルースが廃れて人気のない音楽になってしまった景色がこれなのだと実感してしまった。それでもシカゴブルースの大御所バディー・ガイの店は満員でお盛り上がりであった。入場料は20$で私が20代の時に払った入場料10$の2倍だった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA