麻薬と売春は合法のオランダ

 オランダ人は友好的な雰囲気を持った人種であるが、こと自分の意見に関しては譲らない部分がある。安楽死を一番に取り入れたのもオランダだし、先進国の中でも最も強い労働組合があるのもオランダである。実際この組合問題で過去買収先のオランダ経営陣は大変苦労をしたようだ。私は労働組合と膝詰めで交渉したことはなかったが、個人の人権や処遇についてはハードな交渉が行われるようである。オランダに住んでみると、こうした他国と少し異なる強い欲望や主張がある部分が一般生活でも見られる。それは麻薬と売春である。今や世界の先進国のほとんどで麻薬や売春はご法度である。実際にはアンダーグランドで存在していても法律的にはご法度で、法律の網の目をかいくぐって行われているというのが実態だろう。別のブログでも書いたが、麻薬はCoffee shopという公の場で吸うことができる。確かにそこにいる人は怪しげな感じはするが合法なので捕まることはない。また売春もおおっぴらに行われている。オランダの売春街を表す有名な呼び名にRed lightというのがある。ここでは何軒もの売春宿があり、その家には赤いライトで彩られた窓に娼婦が客を待っている。昔の日本の遊郭のような感じだ。こうした麻薬や売春が合法であるのは、人間本来の欲望を無理に抑えず、ある程度オープンにすることで犯罪にかかわる深刻な事件が起こらないようにしているのだと聞く。欲望をあまり抑えず、自然に任せて扱う方が陰鬱な方向に進まないというオランダ人独特の哲学があるようだ。なお私の見たRed lightのお嬢さんたちは全般に大きくちょっと日本人好みではないと思った。

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