サッカーが見られるコンドミニアム

　私の住んでいたオランダのコンドミニアムは特別なオプションがついていた。私のコンドミニアムは街のプロサッカーリーグのサッカースタジアムに隣接して建てられていた。オランダは小野伸二が属していたロッテルダムのフェイエノールトや首都アムステルダムの強豪アヤックスなどが有名だが、私の住んでいた北部のチームも国内リーグでは中間ぐらいに位置していた。後々このチームには私の米国への異動と入れ替わるように堂安律が入ってきた。私のコンドミニアムは19階にあり、サッカーの行われる土曜日は窓からプロサッカーリーグの試合が見られた。これは素晴らしいと、土曜日の夜はワインを買ってきてサッカー観戦の準備をして試合を待った。ところが予想しない問題点が発生し、その日以降コンドミニアムから試合を見ることは断念せざるを得なくなった。その理由は、上からサッカーの試合を見ると、ドームの傘の関係で片側の動きしか見えず、ボールが反対側にある間は一体どうなっているのかわからず逆にフラストレーションが溜まってしまうことになったからだ。やはり試合というのは全体が完全に見えた状態で観戦しないとバランスの良い観戦にはならない。結局私はそれ以降コンドミニアムからサッカーを見ることはやめた。それでもその後サッカースタジアムで2回試合を見ることができた。会社が地域協力でサッカーチームに対して何某かの援助を行っており、それに対するお礼という形で地域から何枚かの無料チケットが送られる。ほとんどの場合、客先の接待に使用されるが、私は既得権益で良い席で観戦させてもらった。