幻でなくなった「幻の演奏」
インターネットの普及と共に「幻の演奏」といった類の貴重な録音などがなくなってしまった。昔はレコード屋さんを何軒もハシゴして特別なレコードを見つける喜びを味わうことができたが、今はあらゆる情報を苦も無くインターネットを通じて探すことができるので、苦労がなくなったのは良いがその苦労を楽しみにすることもできなくなってしまった。数か月前に大阪の梅田の東通り商店街に行った。昔はこの通りには多くのレコード屋があって、貴重なレコード名盤を求めて歩き回った。現在もわずかながらレコード盤を扱う店があるにはあるが、数も減少し当時のような大量のレコードに巡り合うことはもはやなくなってしまった。そして代わりにアマゾンなどのCDを探すと、あの頃幻の演奏と言われたものを簡単に見つけ出すことができる。それでもマニアに言わせると、レコードとCDはだいぶん違うらしい。しかしそれもレコードとCDのアナログかデジタルの違いと言う部分もあるが、私はそれを云々する前にレコード盤を再生するレコードプレーヤーやアンプやスピーカーシステムとデジタル音源を再生するCDプレーヤーやアンプやスピーカーの違いの方が大きいような気がした。ともかく子供の頃に貴重な演奏として聴いたほとんどの演奏は今の時代にCDやデジタル録音したもので聴くことができるようになっている。
