親会社からの干渉が少ない子会社

 子会社に行くにあたって、自分なりの希望を考えていた。一般的にほとんどの子会社は本体のものづくりを支援する会社で、いわゆる「下請け」的な仕事をする会社だった。実際こういう会社は親会社が子会社の仕事を熟知していて、子会社の都合など考えずに色々やり方について提案をしてくる場合が多い。いわゆる「箸の上げ下ろしにまで指図する」というやつだった。それまで私は海外の子会社で8年ほど働いたが、随分親会社からの指示・命令に泣かされた。マレーシア工場はまだ親会社100%資本の会社だったので、それなりに本体と同じDNAを受け継ぐ会社だった。したがって親会社が望むような指示や命令はある程度子会社も理解ができたので、いやいやでも仕方ないなあと言いながらも従うようにする雰囲気があった。しかしその後出向した欧米の会社は元々が米国系の会社がマネージメントをやっていた会社で、全従業員は米国人がつくり上げたマネージメントが正しいと考えていた。こういう会社では日本の親会社の求める指示や命令を最初から押し付けようとしても無理がある。まず何故そんなことをやらないといけないのかを明確にして納得しないと仕事をしてくれない。欧米ではこの点で非常に悩まされた。親会社の干渉は子会社のストレスに最も大きな影響を与えるものだという経験をした。ところが翻って今回の障害者雇用は親会社から見れば主要事業でもないし、それほど詳細について知る必要性もない仕事だったので、結果的には会社の方向性について細かい指示や命令を受けることはないだろうと思った。事実この点でのストレスは3年間感じることがなく平和に過ごせた。

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