米国コアメンバーとの面接とインセンティブ説明
米国駐在が決まり、新会社がスタートするのに先立ってまず米国でコアメンバーと会うことになった。コアメンバーとは、旧会社の社長及び取締役並びに各3工場の工場長そして技術とか経理であるとかいった専門分野を統括する本部長クラスがその対象となっていた。M&Aで買収した会社がスムーズな立ち上がりを行うためには、買収先の会社のコアメンバーが機能してくれる事が不可欠だった。まずコアメンバーが新会社スタート時に残ってくれて、部下の従業員たちへ新しい会社で気持ちよく働いてくれるような段取りをしてもらうことが必要だった。そこで本社の人事担当重役と一緒に米国へ行って、彼らの顔を見ながら新会社のために力を貸してくれるかを確認しようということになった。最低1年間は他社への転職をせず、この会社のために働いて欲しい旨を新会社の代表となる私の口から説明しないといけなかった。勿論欧米の社会なので、日本のような浪花節だけでお願いしても意味がなく、1年間新会社のために働いてくれれば、あるインセンティブ(特別ボーナスのようなもの)を会社として保証するという説明も同時にしないといけなかった。この面接で一人のコアメンバーの離脱もない事を確認してほっとした。また話しぶりからは、それぞれのメンバーが皆前向きに新会社に貢献しようと考えているように見えて嬉しく思った。朝の10:00から始まった面接は、昼食をはさんで夕方までかかった。終わるとどっと疲れたし、時差ボケで眠気が襲ってくるが、ともかくこれからの試練を前にして第一関門を突破したような気分になり、レストランでビールとチキンで乾杯をした。
