本社メンバー米国人のプライド
M&Aにて欧米系の会社を買収した。自分たちと違う経営スタイルを行ってきた会社のメンバーとは種々の点で意見が合わないことを欧州で経験してきた。しかしそれでも欧州メンバーと腹を割って議論してある程度理解もしたし、また理解してもらったという自信を感じていた。しかし米国のメンバーと話をすると新たな意見の相違というものが次々と生まれてきた。まず米国人のマインドは欧州人より強いものがあった。旧会社は米国の会社が経営してきた会社であり、すべての事項は米国人が管理しているというプライドだった。米国は本社で指示する立場、欧州はいわば子会社であり指示される立場だという事だった。欧州で米国の話をするとあまり評判は良くない。むしろ日本人の方が良いというような意見も出ていたが、これはトップダウンで有無を言わさず進める米国流のマネージメントに欧州人が反感を感じていたのかもしれないとその時思った。考えてみればこの会社は日本で我々がこのビジネスを開始するよりも前から開始しており、また一時は世界のBig3として業界に君臨した時期もあった。それだけにあからさまには口に出さないが、日本人ごときに俺たちが何10年も経営してきたこの会社をわかってたまるかいという反骨精神が表情や口ぶりからはっきり出されていた。欧州人も今まで良しとしてきた事を変えようとすると反発したが、米国人はさらにその点が明確だった。米国に行く前に欧州人と話をした。欧州人を狩猟民族とすれば、日本人は農耕民族で、欧州人は早い決裁を望む人種だが、米国人はさらに即決裁を求めるガンファイターのようなものだと。まさに撃ち合いが始まった。
