Still got the Bluesのコード進行

 もう亡くなったが、ゲーリー・ムーアというロックギタリストがいた。とにかくロック少年だったら一度はやってみたいと思える無茶苦茶に弾きまくるギタリストだった。普通プロならもう少し遠慮して演奏するだろうというところを、大音響で思うがままに演奏するスタイルは、まさに高校生時代に誰もがやってみたかった一種の理想形の演奏スタイルだった。彼は元々有名になりたくて当初はアイドル系バンドでギターを弾いていたが、あまりぱっとせずブルースバンドでギターを弾くようになってから一世を風靡した。彼の演奏の中でも最も有名な曲がStill got the Bluesだ。この曲はインストルメンタルの曲で、Bluesという曲タイトルがついているが、どちらかというとバラードに近い曲だ。ちょうどサンタナの「哀愁のヨーロッパ」のような感じがする曲だ。そしてこのコード進行は極めてシンプルで、かつそのシンプルなコード進行にゲーリーの泣きのギターがかぶさって思わず引き込まれてしまう。ギブソンのレスポールだ。ハ長調で言うと、Dm7~G7~C~Am~Dm7~E7~Amが繰り返され、さびの部分だけブルースコードが入る曲だ。この曲のコード進行はあちらこちらで耳にする。例えばサザンオールスターズの「勝手にシンドバッド」などが良い例だ。また郷ひろみの「Goldfinger‘99」も同様なコード進行だ。実は私も学生時代にこのタイプのコード進行でサンバ風の曲を書いたことがあるが、哀愁と乗りという点では最も良い組み合わせの一つだと思う。

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