学校の先輩1~北山修さん

 私は中学、高校と京都の私立学校に通っていた。その中で有名人になった人が何人もいたが、主として政治家や医者や学者が多かった。しかし音楽関係で有名人を挙げてみるならば、まず北山修さんを挙げたい。今の若い人は北山修と言っても何をした人かは知らないと思うが、彼はフォーククルセダーズというフォークソングバンドを立ち上げた人である。フォーククルセダーズの有名曲と言えば、「悲しくてやりきれない」「イムジン河」「返って来たよっぱらい」などがある。フォーククルセダーズという名前から想像できるように、このバンドのバンド結成の主旨は反戦であった。朝鮮半島で、北朝鮮と韓国(南朝鮮)が2つに分かれてしまったことを悲しんだ「イムジン河」は元々北朝鮮の作曲家によって作曲されたものだが、フォーククルセダーズはこれを日本の歌詞にして歌った。しかし当時歌詞があまりにも過激であるという理由で放送禁止になったことで、この曲は有名になった。またこうした反戦を叫ぶだけでなく、レコードの回転数を上げて録音するという当時としては画期的な試みをした「帰って来た酔っ払い」はフォークソングとしては信じられないような大ヒットとなった。こうして若者の代表としてやりたい放題やったこのバンドは数年で解散する。以後北山修は九州大学で精神医学の教授となり音楽から身を引くが、2000年代に一度きりのフォーククルセダーズ再結成でステージに立った。京都という土地柄もあり、体制に反抗し続けた若者が大人になっても丸くならないところが素敵な北山修さんだった。2021年から彼が白鴎大学の学長に就任したと聞いてさらにびっくり。

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