全員との面談と旗の周知

 もっと早くから障害者に声をかけ障害者への理解をしたり障害者の人と仲良くしていればどんなに良かっただろうという反省の下に、毎週必ず障害者の人が働く現場を回って声をかけるように努めた。そしてほとんどの障害者が私の事をわかってくれるようになると、さらに新たな事をしたいと思いだした。それは全従業員との面談だった。障害者の人が自分の将来についてどんなふうに考えているのか、彼らが仕事以外にどんな気晴らしをしているのか、また聞かせてもらえるなら彼らの心を覆う悲しみや苦しみの一端を知りたいと思った。そして同時に障害者を支援する立場の健常者の人がどういう思いでこの会社で働いているのかも知りたいと思った。親会社は製造会社でこの会社では正義は、品質の良い製品を高い効率を上げる方法で安く作ることであった。したがって良い品質のものをつくることや効率を上げて生産することが大事だと言われてきた。しかし今は障害者が元気でいきがいを持って働ける会社を作るために、健常者の力を貸して欲しいというお願いをしていた。しかし健常者の多くの人が親会社で教えられてきた品質向上や効率向上に力を注いで、一人でも多くの障害者の人が働きやすい職場を作ることを目指しているとは必ずしも言えないことがわかった。要はこの会社の方針というのか旗というのかそういうものが全員に周知されていないと感じた。そしてこの全従業員面談の中で、「私たちの会社が目指すのは何ですか?」「私たちの会社は一人でも多くの障害者の人が働いてもらえるために努力する会社ですよ」というニュアンスの話を在任中に数100回話をしたと思う。

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