毎日片道1Hrの早朝ドライブ
新会社は3つの工場に分かれていた。その3箇所の真ん中に位置する市街地にコンドミニアムを借りた。そのコンドミニアムから各工場までは、高速道路を使っても、近い工場で40分、遠い工場で1時間半ぐらいの時間がかかった。日本ならこんな距離は鉄道でということになるが、ここはアメリカ、自動車の国だ。工場はAM7時から始まるが、これに間に合うようにしようと思うと、私の場合4時起床~5時から5時半出発~現地30分前に会社着というスケジュールになった。つまり毎日早朝に起きて、半分目が開いていない状況で車に乗り大体70~80マイル/Hr(110~130Km/Hr)で走る高速道路を1時間前後ドライブする毎日となった。まずこのドライブを想像した時私の頭の中によぎった心配は、高速道路での居眠り運転だった。一瞬でも目を閉じて走行車線を外そうものなら確実に大事故につながり、ほぼ確実に死を意味することになった。日本人との最初の駐在員会議で私から皆へ伝えたのは「寝たら死ぬで」ということだった。駐在員もこの点は随分心配していたようで、少し通勤時間を遅らせてはという提案もあった。ただ私からは工場の皆がこうやって出勤してきているのに、日本人だけが特別ルールというのはあり得ないと思った。それで「工場で働くアメリカ人は普通に出勤してくる。これができないならさっさと日本へ帰ったらどうや?」と言った。それからは早朝にいかにすっきりと目をさますかとかドライブ中はどういう音楽を聴くかとか少し強めのコーヒーを飲んで出かけるかとかいくつかの自分なりのノウハウを考えて出勤するようになった。
