ここでもでかいオフィス
米国のオフィスは工場の横にある開発センターの一角に設置された。一応私は新会社のトップであったので随分オフィスの質については気を遣ってもらったが、結局かつての開発役員が使っていた場所を借りることになった。小さい部屋で良いと言ったが、結局2部屋続きの部屋の奥を使うことになった。かつてはその部屋の前に秘書がいたようだが、勿論私は秘書などいらんと言ったので、ちょっとしたテーブルと5~6人が座れる椅子が置かれた簡素な部屋が隣接することになった。本当は工場の中に部屋を作ってもらい、いつでも自由に工場に行けるようにしたかったのだが、結局余っている部屋はないだとか新たにそんな場所を作るのは費用がかかるだの言われ却下となった。(しかしもし場所させ気にしないなら、工場には多くの無人の部屋があり、ここにいる方がよく現場を見て回れると思ったのだが、これ以上言うと我を張っていると言われそうな気もしたのでやめておいた)元々はこの会社は米国人経営の大企業の一部の部門が売却されたが、その時代の役員オフィスは北部の大都市にあり、営業を統括する新会社の社長と統括部長級のメンバー20名弱がそこに残っていた。そのメンバーも含めて新会社は南部の3工場に近い所にオフィスを移してはという議論もあったが、結局はそのオフィスの移転はペンディングとなった。いずれにしてもオフィスというのは欧米人にとって特別の存在であり、最高のパフォーマンスを発揮できるような環境を持ったオフィスというもので働きたいと思うようである。このあたり「たこ部屋」で仕事をしてきた日本人のメンタリティーとは合わない部分があった。
