カーボーイの国アメリカ
アメリカと言えば開拓時代から始まって、近代社会を常に引っ張ってきた国である。私の子供の頃もアメリカ文化は私のあこがれの中心にあり、ロックやブルースやジャズという音楽に夢中になり、ジーパンを履くことがかっこいいと思い、アメリカのヒッピーのようにあてもなく自分探しをしてみたいと思ったりしたものだった。ともかくアメリカは日本のような制限・制約がなく、何をしても許される国であるような気がしていた。そしてその自由であるイメージの元になっているのは、開拓時代から今に至るまで米国人の気質に入り込んだカウボーイのイメージだ。米国の南部特にテキサス州あたりに行くと、空港などのいたる所でカウボーイハットをかぶった紳士がビジネス出張に急ぐ姿を見かける。もうもはや牛を飼う生活などやっていない人も米国人の気質を持っていたいと思っているのかもしれないと思った。しかし実際のアメリカ人は馬に乗ったり、牛を放牧して生計を立てる第一次産業に従事している人はまれである。アメリカ人の職業は開拓時代には農業や鉱業主体の第一次産業が中心だったが、南北戦争~第一次、二次世界大戦時代には工業主体の第2次産業に移り、今やITや金融などの第三次産業へと変わりつつある。そして「カウボーイ」と呼ぶよりも、むしろ「カーボーイ」と呼んだ方が良いような状況になっている。米国の移動手段は飛行機&車である。遠距離移動が鉄道中心の日本人から想像しがたい状況であり、彼らは2時間以上のドライブを何とも思わない。5~6時間かけて目的地まで行くというのもざらである。それだけに車の品質は命で日本車が良く売れるのもうなずける。
