努力した人の仕事をアピールしたい

 私は昔から現場が好きだ。その最大の理由は、現場には自分の仕事にプライドを持って一生懸命がんばっている人が多くいて、その人たちからキラキラと光る英知を教えてもらえるからだ。ただ現場の人は自分が納得していることを自分だけが一直線に進めているだけで満足している向きがある。本当ならその考えを皆に広めて体系化できればチームはどんなに強くなるかと思うのだが、おうおうにしてそういう人たちは職人気質が強く、自分が知っていて効果があることを皆に展開しようという意識が低い。私はそういうものを拾い上げては少しでも一般化、普遍化できるように体系づけたいと思っていた。世間では「トヨタのカイゼン」が有名で、Kaizenというのは米国人や欧州人としゃべっても知っている日本語である。「トヨタのカンバン方式」は大野何某という偉い人が現場で考えたことになっているが、おそらくそれを考える過程で現場のやり方に違和感を持っている優秀な現場マンがいて大野氏が〇〇方式に体系づけていく際に多大な貢献をしたのだろうと思う。これはものづくりの現場だけではなく、どんな現場でも当てはまるものだと信じている。実際私は障害者雇用の会社において、難しい問題に取り組みのたうち回りながら解決に向けてがんばる人を何人か見つけることができた。私はこの会社で2本のビデオを残したが、その1本はまさに現場でがんばる人の生き様を少しでも体系化して皆に残したいという思いで作成したものだった。

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