欧州でも米国でもアジア人に助られた
はっきりと欧米系人種とアジア系人種は見た目もものの考え方も違う。欧州から米国へと移るうちに、やはり自分はアジア系人種でアジア人に助けられることが多かったなと思った。欧米社会はいわゆる祭日などは日本と比べて大変少ないが、少ない祭日を大事にしている。例えばクリスマスなどはクリスチャンの多い欧米系人種の主要祭日だが、欧州も米国もクリスマスが始まると私のいた会社では交替勤務の人を除き、ホワイトカラーの人は1月1日の新年まで長期休暇を取るのが通例となっている。彼らは家族と過ごしたり、他国でバカンスを楽しんだりする。ところが私のようにクリスチャンでもなく、また単独で日本から来た駐在員にとっては、長期に休みを取ってもあまり意味がなく、ほとんど家でぶらぶらしたり、少し会社へ行って数時間時間をつぶすようなことをしていた。ところが困ったことが一つあった。それはスーパーマーケットやレストランが完全に閉まってしまうことだった。私のように自炊しないタイプの駐在員にとって、店が閉まるという事は生活を支える物資や食料が手に入らないということを意味する。初めてのオランダの冬にこの経験をし、米国でも同様の経験をすることになった。ところが天は私を見捨てていなかった。欧米系人種の店はほとんど閉まっていたが、アジア系、特に中国人、インド人、タイ人などの店は欧米人種の都合など全く関係なく、いつでも普通にオープンしていた。また同様に私の心と体を癒すマッサージ店や散髪屋さんもアジア系は開いていた。こんな事が続くうちに、私はやはり体に流れるアジア系の血を大事にしないといけないと思ったものだ。
