障害者と呼ばれないメンタル弱者

 障害者雇用の会社には健常者が障害者の支援を行っている。この健常者はほとんどの場合親会社から出向してくる。この人たちの出向理由は①リーダークラスとして障害者の指導・成長を託された人でかつ親会社でリーダー職の経験を持つ人②親会社のハードな仕事を継続するのが困難となったため子会社で新たに可能性を期待される人で、障害者にも受け入れられるような丁寧で優しい言葉使いのできる人に大まかに分かれる。この中で②のタイプの人たちにおうおうにしてメンタル面で弱い人が多い。例えば親会社の職場で人間関係が原因でメンタルがやられ、仕事に耐えきれず子会社への出向を希望した人も多い。しかし障害者雇用を目的とした会社でもそういう人たちは親会社で社会人としてしっかりした教育や職場経験をしてきた人として即戦力で仕事をすることを期待される。そのため負荷をかけた仕事を依頼すると潰れてしまう場合があった。よく考えればメンタルをやられた人には負荷をかけてはいけないが、この会社ではさらに気を遣う必要がある障害者がおり、どうしても障害者の支援を優先するがために「健常者に分類されるメンタル弱者」が潰れてしまうような事態を何度か目の当たりにした。本当はこうした「健常者でありながらメンタル弱者」である人も障害者と同様に救わなければいけないのではないかと思うことが多々あった。一方障害者から見ると、こうした人たちは「健常者なのに何故健常者らしいことができないの?」とやや馬鹿にされるようなこともあり、どちらが障害者なのかわからないようなことになってしまっていた。

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