旅の夜風

 工場を襲った水害の後に皆を元気付けるためのバンドを作ろうと思った。その際にバンドのテーマ曲を作った。イントロは何となくエルビス・プレスリーが入ってくる時やブルース・ブラザーズで使われた感じのリフを使った。そしていざ歌詞を付けないといけない時になってどういう感じの歌詞を付けようかあれこれと悩んだ。が、最終的にはシンプルに「今からステージに上がるぜ!」という感じで始めることにした。そして歌詞を進めるうちに何故か昔母親がよく口ずさんでいた「旅の夜風」の一節が頭に浮かんだ。その歌詞とは「花も嵐も踏み越えて、行くが男の生きる道」というもので、たしか霧島昇とコロンビアローズさんによるデュエット曲だと思う。何故か私の頭の中では、今から始まる楽しいショータイムを色々な苦難を越えてやっとたどり着けたというように感じてしまって、こういう歌詞にしたと思う。実際の歌詞は「花も嵐も踏み越えて、行くがオイラのdancing time(L O V E dancing time)」というように少し変えた。この歌詞はその後町内会バンドでも引き継がれたし、マレーシアの会社バンドで演奏した時は、「No matter how thing’s going down, I wanna ・・・」という英訳をつけた。意味としては「どんなに物事が落ち込んでも、目的に向かって進むんだ」みたいな感情をイメージしたと思う。この旅の夜風というのは1938年にリリースされた曲で、私の母親が14才の時に聞いた曲のようだ。私が子供の頃に彼女が歌っていた歌詞を何故か1990年代にふと私が思い出して使わせてもらうことになった。一緒に演奏するメンバーはこんな経緯を全く知らなかっただろう。

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