日本食材を探す

 マレーシアではあちらこちらに日本食レストランがあったので、日本食が恋しくて仕方ないということはなかった。しかし欧州ではアジア圏の食事は1ランク低く見られており、食材を売っている店を探すのは一苦労だった。結局「アジアンマート」的な所へ行って、中国料理や韓国料理やタイ料理に混ざって販売されている日本食の食材を探すぐらいしか方法はなかった。また日本食レストランと言っても、ちゃんとした日本食レストランは1軒ぐらいしかなく、また高いので頻繁に行く気はしなかった。オランダのその地方都市の国別人口分布を調べてみると、全体で20万人のうち日本人はわずか88名だった。これでは日本食は流行らないなと思った。ところが赴任した米国の中規模都市には何と日本品ばかりを扱う店があった。名前もどこかの旅館のような名前だった。この店には月に1回は必ず行った。よく買ったのは、ラーメン、柿の種そしてレトルトカレーだった。ただし米国は海外からの肉の輸入が禁じられていたので、いつも野菜カレーしか買えなかった。それでも日本風味のカレーを食えるのは最高だった。また私は料理を作るという考えがないままに8年間海外駐在をしたが、おいしいコメだけは何とか食べたいと思っていた。コメの味にうるさい人には許せないかもしれないが、私はこの店でいつもレトルトのコメを必ず買っていた。価格は1袋2~3ドルで日本での価格の3倍ぐらいしたが。本物のコメに比べればまずいのだろうが、私のようにあまり味のわからん人間には十分おいしく感じた。そしてさらに日本食のレベルを上げたい場合は、奥の手として通販で高い食材を日本から取り寄せた。

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