アメリカ人になる2
次はアメリカ人のそれ以外の真似をしようと思った。まずはファッションだ。アメリカ人の代表的なファッションと言えば、まちがいなくジーパンだと思う。ジーパンは元々アメリカ開拓の時代からカウボーイが安い南部の綿花を使って作った労働服から来ていると聞く。実際大昔から現在に至るまで、アメリカ人はほとんど全員ジーンズをはいていた。そしてジーンズに似合うTシャツやネルの綿シャツがかっこよく、またカウボーイはカウボーイブーツを履くというのが何となくアメリカ人だという印象を持っていたし、実際米国の南部で見た人の日常ファッションはそんな感じだった。それともう一つアメリカ人をイメージするファッションは短パンだった。アメリカ人はその大量の食生活のせいで、横に大きい人が多いが、太ってずんぐりむっくりなおっさんが短パンをはいて歩いているというのが典型的なアメリカ人と思った。アメリカに入ると、すぐにネルのシャツ数着とジージャンと短パンのジーンズを買った。似合うかどうかはわからないが、これで私も一般のアメリカ人のファッションを真似ることができると思った。さらにアメリカ人になるためのもう一つの条件は「大阪人になること」だと思った。昔からアメリカ人はフレンドリーだと思っていたが、実際それほどフレンドリーとは言えない。しかしそう感じさせるのは、やたら近くの見知らぬ人に話しかけるからだ。米国人同士がしゃべっているので知り合いかと聞くと全く知らないと言う。ちょうど大阪人が前や隣の見知らぬ人としゃべるのに似ている。当方の英語力を考えると完璧にこの真似はできないが、感覚的にはなるべく大阪人を真似ようと思った。
