なかやぶにあったジャズ喫茶
私は元々25年間京都に住んで、以後なかやぶへ引っ越してから40年近くになる。私は学生時代毎日のようにジャズ喫茶に入り浸りしていたし、日本全国にもこうしたジャズ喫茶があった。ふとしたことから現在私が住んでいるなかやぶという街にもジャズ喫茶が存在していたのを知った。それは同じなかやぶで一緒にバンドを組んでいた仲間からの情報からだった。その喫茶店は外国の大物喜劇役者の名前を取っていた。そして当時はその喫茶店では毎週のようにジャズの演奏が行われていたそうだ。私が町内会で一緒に演奏していたメンバーのSさんとUさんは、その店のクラブバンドに属していたとのことだった。店は「なかやぶ銀座」の真ん中あたりのビルの3階にあり、毎週つうの客が演奏を聴きに来たそうだ。現在もなかやぶ銀座のその場所には店の看板が残されている。ただ銀座とは言うものの、街は随分さびれて当時の活気は感じられない状況だった。店のオーナーはY田さんという方で、今でもなかやぶの年長の音楽好きには有名な方である。当時この方がジャズ喫茶を起こしたが、銀座の衰退とジャズ喫茶そのものの衰退で経営は立ち行かなくなり、ついにはこの店は廃業となったようだ。しかしその後Y田さんは再度夢を追いかけて、駅前にカフェ〇〇というアフリカンな名前のライブハウスをオープンされた。実は私は会社員時代に会社バンドで一度このライブハウスを使っている。しかしまさかこのライブハウスが同じオーナーで繋がっているとはその時は思いもよらなかった。オーナーは数年前に亡くなられたようだが、その後なかやぶに彼の遺志を継ぐ者はいないようだ。
