退職前後の初作業
退職後はのんびりと言いたい所だが、まずは老後を始めるにあたってやらなければいけない事がいくつかあった。まず一つはもらえる年金の確定であった。年金は大きく分けて3本立てになっており、まず若いうちに働いた中から社会保障として引かれていた分が返ってくるものとして老齢厚生年金と老齢基礎年金がある。これらはいわゆる社会保険庁で詳しい額を見積もってくれていたし、支給申し込みの方法についても教えてもらった。そしてそれ以外に会社が積み立ててくれた分に企業年金がある。これは一般の年金とは違い、企業年金連合という組織を通じて支給される。何度も東京まで電話して手続き等を教えてもらった。これで一応最低限の生活は保障されることになった。ただ定年後1年半ぐらいは前年度の収入に対する税金負担が重く、収入が大幅に減少するのはやむを得ない。また一時的だが失業保険が支給される。私の場合は子会社の経営者をやっていた関係で一括で支給されることになった。ハローワークで手続きを行い30数万円の支給を受けたが、これは当座の私のお小遣いになった。そして忘れてはいけないのが、保険証の見直しである。40年近く会社の保険で医療控除を受け、実額の20%程度の安い医療費で診療を受けられたが、退職後は国民年金に入ることにより3割負担となった。保険証は簡単に市役所でもらえた。こうして色々な行政を回って社会保障の権利を一つ一つ獲得する作業を行うのはある意味楽しかった。これ以外に残っているもととして確定申告があるが、これについては退職した年までは会社が対応してくれており何もする必要はなかった。
