「空港から近く」のエアポートホテルは遠い
米国ではよく翌日の移動の都合からエアポートホテルを利用した。初めて来た土地では、アクセスの関係で迅速に移動しないといけないが、その点エアポートホテルを利用すれば慌てることもなくスムーズな移動ができると考えるからである。ところがこの感覚が米国では少し違っていた。米国はとにかく広大な土地が余っている。そのためエアポートホテルと言っても、空港に本当に近いホテルは少なく、ほとんどが「空港から車で10分以内」ぐらいかかってもそれはエアポートホテルであり、距離的には「まあまあ空港に近い」ということになる。我々日本人からすると、エアポートホテルでイメージするのは空港の構内に設置されているドアトゥドアのホテルか、外へ出てもせいぜい歩いて数分で着けるようなホテルがエアポートホテルと思ってしまう。初めてアメリカに出張してエアポートホテルに泊まったが、バスは一体どこまで私を連れて行くのかと心配になってしまった事を思い出す。しかし全般的に「車で10分以内」というのは車社会に生きている米国人にとっては近いということになるようだ。実際に米国人の通勤では1時間程度の車通勤はざらで、毎日この1時間を高速道路を使って出勤する。米国へ来てまず日本人駐在員内で最も注意したのは、1時間のドライブでは絶対に居眠り運転をせず、細心の注意を払って会社までたどり着くことだった。高速道路で居眠りすることは確実に死を招く。そんな事で「車で10分以内」なんてのはほとんど隣に移動するぐらいの感覚なのだろう。
