高校時代のA君

 私の通っていた学校は、中高一貫教育の宗教関係の学校だった。また男子校でそういう意味ではロマンスは全く経験することはなかったが、音楽活動について色々情報共有するには良い環境がたくさんあった。そういう中でバンドに興味がある高校生の唯一の発表の場は学校の文化祭だった。文化祭では各クラブが種々の催しを行い色々な展示をしていた。また男子校なのに茶道部があり、お茶会の実演をやっていたり、演劇部が演劇の披露をしたりにぎやかな催しが行われ、父兄だけでなく女子高生も含めて他校の人が見に来ることも許可されていた。一方バンドというのは正式に学校では認定されていなかったが、何故かこの時には毎年2,3バンドが発表会を行っていた。この文化祭で私はたしか高校2年生の時に初めてバンドで出演して、恥ずかしながら1曲ボーカルをやった。今更ながらに顔から火が出る思いだが楽しい思い出でもあった。この文化祭の演奏で際立っていたのがA君だった。A君は私と同級生だが、ギブソンレスポールタイプを弾きながらロックの演奏を行った。演奏内容ははっきり覚えていないが、チャックベリーのJonny.B.Goodは滅茶苦茶かっこよかった。この曲はBack to the Futureで主人公が30年前に戻り、この曲をギターで演奏することで有名になった曲だが、私はその後のバンド活動で何度もこの曲を演奏した。そのA君だが、卒業者名簿を見ると日本で最も有名な楽器メーカーに就職している事がわかった。ロックとエレキギターをこよなく愛するA君だったが、趣味が高じてついには楽器会社に入ったようである。彼もまたバンドが仕事に役立った一人だ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA