企業戦士ライブその3
企業戦士ライブというものに参加して色々な企業の人と知り合うようになった。リーダーの年齢が近かったこともあり、最初にSハウスの人や今は亡きSY電器の人と仲良くなった。Sハウスの人はいわばこの催しの発起人のような人で自由人の感じがした。私の家の向かいにSハウスに勤めていた人がいたので、その人の事を聞いてみたが、とっくに独立して自分で不動産業を行っているとの事だった。そんな時に半導体で一世を風靡したKN電子の人と話をする機会があった。この人たちはいわゆるヘビーメタルをやっていて、ステージは一種異様な雰囲気があった。音はでかいし、演奏は一本調子だし、金髪の髪の毛はツンツンにとがらして観客をにらみつけており、私はあまり好きなタイプのバンドではなかった。ライブが終わって数週間してから、スタジオΣで第一回ライブの反省会が行われた。隣にいた真面目そうな集団に話かけてみた。この人たちは皆髪を短く切って73に分けていかにもサラリーマンという感じがした。「皆さんはどこのバンドですか?」と。すると答えは何とあの異様なスタイルをして演奏していたヘビメタバンドの皆さんだった。あまりにステージとかっこうが違うので、「今日は髪の毛を染めていないんですか?」とたずねると、「あのかっこうでは会社には出入り禁止です。普段は黒髪で、あれはかつらです」とのことだった。さすがサラリーマンが集まる企業戦士ライブだと思った。心は燃えていても、かっこうは宮仕えのサラリーマンというわけか?
