ITの活用2
各人に渡された携帯は全員共用の携帯になっており、社員番号を打ち込むと自分に関する情報が取り出せるようになっていた。例えばその店では本日の勤務内容が克明に支持されており、以前の会社のように同じ仕事を繰り返すだけでなく、例えばその日に特別にする仕事の指示が明確になっていたし、交代で休憩を取る時間帯も明示されていた。勿論細かい作業内容などがあれば、印刷物で丁寧に指示される場合もあるが、全般的には携帯での連絡でほぼ全体の仕事がわかるようになっていた。逆に仕事が始まって、携帯を開いて何をしないといけないか明確になり、開けてびっくりする事も多々あったがそれも段々と慣れてきた。またこの携帯には売り場や商品に関する情報も入っていた。例えば入社してすぐの頃困ったのは、商品を売り場に品出しする際に、それがどこにあるかわからないという点だったが、携帯の中には売り場の位置を明確しており、その売り場マップに従い商品の品出しを行うことを容易にしていた。また職場で品出しをしているとお客さんから種々の質問を受ける。多い質問は「この商品は在庫があるの?」というやつである。これについては商品コードを携帯で読み取ると、自店在庫がわかるようになっていたし、もしお客様が取り寄せを行う場合いつ頃納入可能かもわかるようになっていた。さらに1サイズ小さい商品が欲しい、他店では今在庫はあるのか、色違いの商品はあるのかなど質問は十人十色であるがそういう質問に対してこの携帯は有力な情報を与えてくれた。
