We are the world1
私がまだ20代後半ぐらいの頃、ミュージシャン達が集まってアフリカの飢饉で困っている人たちを助けようという運動が行われた。運動の中心となったのはアメリカを中心に仕事をするミュージシャンたちで、「アフリカを救おう」というキャッチフレーズで募金を募るものだった。そしてその際に皆にアピールするテーマソングとして歌われた曲がWe are the worldという曲だった。ミュージシャンたちはこの曲を通じて世界の人々に向けて「貧困や飢餓で困っている人たちに皆が何か分け与えるものがあるんじゃないか?」というメッセージを送った。この曲がしびれた。なにしろミュージシャンたちは無給でボランティア出演してくれたが、当代一流のミュージシャンばかりで、しかも声の質が全く違うメンバーが順番に歌うのが素晴らしかった。結果この曲は多くの人にモノマネされることになった。例えばマイケルジャクソンの声は男性なのに高くファルセットで歌うのがミソとなっていたし、ブルーススプリンスティーンの声はガラガラで渋い声だし、ティナターナーはわざと低音で1オクターブ低い音で歌っていたが、モノマネではこういう部分が強調されてとても楽しむことができた。ちなみに参加者はマイケルジャクソンとともに共同で作曲者となったライオネルリッチーや盲目のソウルシンガーで当時一世を風靡したスティービーワンダーやソウルの女王ダイアナロス、カントリー界の大御所ウイリーネルソン、フォークソングの神様ボブディランなど、日本で言えば年末の紅白歌合戦に出るようなメンバーが一堂に会してこの曲を盛り上げている。
