メンターにしごかれる
どんな会社に入社しても、一旦入社したからには新入社員は一から色々な事を覚えないといけない。長らく人からこと細かく教えられそれを学ぶことをしていなかったので、初めのうちはしごかれているような感じがした。特に年を取って物覚えが悪くなっているせいもあると思うが、何度も同じことを言われるのは、情けなくもあり自分に腹が立った。「これはいついつ説明したでしょう?」と言われても正直はっきりとした記憶がない。メンターの人はこの販売会社がこの街に設立された時代からのオープンメンバーだそうで、そういう意味では生き字引のような人だった。年齢は私より2才若いとはいえ60オーバーの人だが、大変元気でびっくりした。私は幸いに健康には恵まれ、同世代の人と比較して元気でよく動ける方だと思っていたが、メンターの動きを見て、やはりその道一筋の人はすごいなあと思った。メンターの人は当初私を年下と思っていたようで、言い方も目下に言うような感じだったが、私の年を聞いて少ししゃべり方も変わったが、その頃から対社会人同士の会話で少し話ができるようになってきた。初めは全くわかっていないことや理解が間違っていることをことごとく叱責されかちんと頭にくることもあったが、考えてみれば10数年私より経験があるなら当たり前と思うようにしてだんだんと頭に来なくなった。しかし時々以前聞いた話と逆の指示を受けて怒られると、私も反論をするようになった。しかし最終的には私が折れるようにして精神的にいがみ合うことだけは避けるようにした。そうこうしながら少しずつ私という者を理解してもらうようにしようと努力した。
