ワンパターンのブルースマン
ミュージシャンというのは多かれ少なかれ自分のプレースタイルというものがあるが、ブルースマンぐらい自分のプレースタイルに凝り固まっているミュージシャンはあまりいないと思う。私が高校生の時に「ブルースのソロの弾き方」というものを何かの音楽番組で学んだ。エリック・クラプトンがあるギターソロを説明していた。そのフレーズはブルースを演奏する人ならだれでも使うフレーズだった。そのフレーズがブルースを代表しているとは思わないが、最初にモダンブルースを始めた人がそのフレーズを弾いたのはまちがいなく、そのフレーズの元祖はティーボーン・ウォーカーという人だった。一時期京都でブルースが流行っている頃は、どこのライブハウスのブルースバンドでもそのフレーズを弾いていた。それで一度このティーボーンのレコードを買って演奏を聴いてみたが、1曲目から最後まですべてこのフレーズが満載だった。結局この人は他の曲でもこのフレーズばかりを弾き続けたが、その後ブルースを始めた人は、ブルースの巨人・神様と呼ばれたティーボーンが演奏したフレーズは「はずせないブルースのフレーズ」となり後世へ伝えていったのであろう。ティーボーンはこのフレーズで一世を風靡したが、同様の話がブルースには多くある。例えばロックンロールの元祖とも言われるチャック・ベリーのギターソロは鈴が鳴るような2弦を使ったリフが有名だが、彼は一生このフレーズで飯を食ったと言っても過言でない。またスライドギターを使い、3連符から入るブルースで有名になったエルモア・ジェイムズも一生スライドギターで飯を食っていたなあ。
