途中入社は給料が上がる欧米
海外にいる間に何人かの人が会社を去るのを目の当たりにした。そのうち何人かと退職に関する心境を聞くことができた。理由は様々であったが、マレーシアでは処遇がより良い会社に転職するというのが多く、欧米のトップクラスでは日本とのマネージメントの違いに我慢が出来なかったというのが多かった。個人的な理由ではマレーシアではパートナーの都合に合わせるとか、欧米では将来の年金などで優遇されている人といない人で給与が違うという話も聞いた。それにしても簡単に再就職はできるのかと日本人は思ってしまうが、そのあたりは外国と日本ではかなり状況が異なる。まず辞めて再就職する場合、外国では基本給与は上がることになる。簡単に言えば、「前の会社で得た貴重な経験を生かして次の会社に貢献してくれる分給与は当然高くなる」という考えである。また「就職を繰り返すことで、より社会人として具備すべき常識や経験値が上がる」こともその人の能力の査定として良い方向に判断されるようだ。だから「辞めても大丈夫なの?」と聞くとほぼ全員が「仕事なんていくらでもある」と自信を持って答えるのに毎回驚きを感じた。それに比べて日本の再就職の難しさは何とも言えないものだ。まあ私のように高齢と言われるような人間ならまだしも、新卒と20代途中入社での就職のし易さが違うのは上記の外国の考えから言えば不思議としか言えない。もっとも最近は日本の会社もその会社での滞在年数よりも能力の有無で給与が決まるようになってきているし、途中入社で専門的な知識を持つ優秀な社員を高額で獲得をしようとする試みも増えてきているが。
