辞めたくなったら辞める欧米のトップ

 私の駐在経験は50代後半デビューだったので、どうしても定年退職を意識せざるを得ない状況だった。日本では当時は60才定年だが、延長措置で「65才まで働くことも可能である」というルールができつつある状況だった。一方マレーシアでは私が駐在している最中に定年年齢が変更になり、男性は55→60才へ、女性は50→55才へ変更になっていた。アジアでは少なくとも特殊な立場(最高経営責任者、例えば社長や会長)を除き、定年年齢が厳密に定められていた。ところが欧米ではこのルールは提供されていなかった。元々定年年齢の意味はその社員の体力、気力がある年齢になると続かなくなるので働くのは難しいという理由から決まったようだが、昨今のように寿命がどんどん伸びてくるとどうやって体力や気力が落ちてきたかを決めるのが難しくなる。要は本人の申告で「私は元気だ」と言えば、会社の業績を貶めるような懲罰がない限り、その人はその立場から離れたり会社を離れる必要はないということになる。つまり体力、気力に問題ない人に対して、たとえその人が何才であれ、やる気があって来年も仕事を継続したいと申し出れば、会社はその人の申し出を受けないといけないようだ。もししかるべき体や精神の問題がなくやめさせる場合には、ある対価を支払う必要がある。自分がそういう年になってくると、なるほどそれも一理あるとは思ったが、一方で若者の立場から見ればいつまでも上に年寄りが居座っていられると、なかなか給料や立場が上がらないし、職場の活性にも邪魔することになると思う。このあたりこれからの時代の大きな問題となっていくのだろう。

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