一番の金持ちは共稼ぎ族
定年を前にして老後生活を考えるようになった。世間では年金以外に老後数千万円ないと「人生100年」を生きていけないという話がささやかれている。私は国内や海外で色々な立場の人に巡り合ったが、自分が60才を越えてからは会社を辞めてからの生活についてもよく話をする機会があった。そうした中で最も生活に余裕がありそうな人は共稼ぎ族の人だった。例えば一流企業で職場結婚して、その後奥さんも会社を辞めずに定年まで会社に勤めた家族はいわゆるダブルインカムを給与としてもらい、かつ会社が提供してくれた老後生活プランに乗って、着実に老後資金を積み立てていくので、会社を辞める頃になると人よりも余裕があるように感じる。仮に旦那さんも奥さんもそれほど会社であくせく働かずに比較的のんびりと働き、給与も人並みより多少少なかったとしても2倍で入ってくる給与というのはすごい効果を発揮する。私は会社を離れる前10年間は経営者の立場で給与をもらえたので、少しは人より余裕のある生活もできたが海外生活で結構無駄遣いの多い生活だったので残すものも少なかった。しかしこうしたダブルインカムの家庭は、一人一人の給与は人と比べてそれほど多くないので、昔から堅実に生活をする癖がついており、それが積り積もって定年前には一人が働く家庭に比べて圧倒的に裕福な状況を作ることができるというわけだ。私は奥さんは結婚したら自分が食わさないといけないという前提で働いており、こうしたダブルインカムの考え方がなかったが、もしこういう生活を続けていたら随分世界は変わっていたかもしれないと思う。
