定年後すぐ亡くなる人

 会社を定年退職してからすぐに亡くなる人が結構多かった。たまたまかもしれないが、そういう人の私の印象は会社で親方風を吹かせていていばっている人が多いように思う。そういう人は会社員時代には皆と一緒に仕事をするというよりは、剛腕を使って下の人や業者の人にどんどん仕事をさせていくという人が多かったように思う。そんな強そうな人が何故あっさりとすぐに亡くなるのか当時は不思議な気がしたが、私自身が定年退職した今となって何となく理解できるような気がした。まずこういう人は「自分が親方でいられる箱」でしか生きられないということだ。会社を離れると、会社で得ていた色々な立場や権力などは無くなる。こういう人は親方という立場=仕事であったので、立場が取られた一般社会ではどうやって行動したら良いかわからなくなってしまうのだろう。家にいても、親方風を吹かすことはできないし、近隣の人と話をするのに上目線で話をすると嫌われるしと、どのように言動すれば良いかがわからなくなるのだろう。そしてどんどん自分の存在感を維持する方法が見つからなくなり、精神的に自分のいきがいとかモチベーションがなくなり、心が折れていくのだと思う。そして「病は気から」ではないが、精神的に負ったダメージがいつしか体にも来て、ついには致命的な病気を併発してしまうということになるのではと思う。よく「私は昔部長をやっていた」とか「この建物を私は建設した」とかいった自慢話をする人がいるが、こういう人こそ危ないと思う。一旦会社を離れたらただのおっさんと割り切って新たな生き方に迎合していかないといけないと思う。

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